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高専専攻科の進学メリットとデメリットを元高専生が解説|体験談アリ

高専
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進学を考えているけれど専攻科ってどうだろう?高専に入るまで知らなかったぐらいの知名度だし「入ってから後悔したくないなぁ」と考えていませんか?

専攻科は進学しても大丈夫です!就職・大学院進学、どちらの道も明るいですからね。

まっすぐ

専攻科へ進学してスーパーゼネコン(建設業界最大手)に入社した同級生が2名います。土木系の就職先として、これ以上はありません

当記事では専攻科のメリット・デメリットを解説します。就職・進学以外のデメリットを理解してから進学を検討しましょう。

  • アラサー理系リーマン
  • 高専卒(土木)
  • 中学成績:上位20%以下(推薦✖)
  • 高専成績:最高3位(3年時、4年時は中の下)
  • 就職先:電力子会社(3年勤務)
  • 転職先①:地元有名企業(6年勤務)
  • 転職先②:電力会社(←イマココ)

高専の専攻科とは?

専攻科は高専卒業後に2年間高専で学ぶ教育課程です。高専と合わせて7年間通うことになります。

出典:独立行政法人 国立高等専門学校機構 概要(2023年度)

専攻科の特徴は、専門的な勉強や研究を追求できることです。そして、大卒と同じ「学士」の学位が取得できます(高専卒だと「準学士」)。

専攻科進学のメリット

メリット

専攻科進学のメリットは多いです。「学費の安さ」や「難関大学院への進学しし易さ」など魅力的なものがあります。

専攻科進学のメリット
  • 学費が安い
  • 難関大学院へ進学しやすい
  • 就職に強い
  • 環境を変えずに進学できる

特に修学環境を変えずに進学できることは専攻科にしかないメリットです。それぞれ詳しく解説します。

学費の安さが最大のメリット

お金

専攻科の大きなメリットは学費が安いことです。家庭の経済状況が厳しい学生にとって大きな魅力ですね。

専攻科の学費は約30万円/年です。しかし、国立大学であれば約80万円/年、私立大学なら約120万円/年もかかります。

学費項目専攻科(国立高専)国立大学私立大学
入学金84,600 円282,000 円959,205円
授業料(年間)234,600 円535,800 円240,806円
合計319,200 円817,800 円 1,200,011円
出典国立高等専門学校機構文部科学省令第16号文部科学省の調査
専攻科と大学の学費比較表

学費の差は明確ですね。専攻科ならアルバイトでも払えますね。奨学金を借りずに進学できると、就職後に使えるお金が増えます。実質給料アップですね。

学費の安さは専攻科の大きなメリットです。

難関大学院への進学がしやすい

大学院

専攻科から難関大学院に進学する学生は多いです。実際、専攻科からの進学先TOP3は「九州大学・東北大学・筑波大学」の大学院。いずれも難関ですね。

専攻科の進学先
出典::独立行政法人 国立高等専門学校機構 概要(2023年度)

なお大学編入では豊橋・長岡の両技科大が大多数を占めていますが、大学院進学では数を減らしています。

これらの実績から見るに、専攻科は難関大学院への進学がしやすいと言えます。

専攻科生は就活で有利!|企業から高評価

就職

専攻科生は就職活動で有利です。なぜなら全体的に大学生より高評価だからです。

高専専攻科生は「専門知識」「仕事ののみこみ」「勤勉さ」など多くの面で大学生より高評価です。英語力だけは劣っているようですが(笑)。
*出典:東京工業高等専門学校_企業による専攻科修了者の評価ならびに専攻科教育への要望

高専教授
高専教授

最近は専攻科も知名度がでてきて、就職先も良くなっているぞ

実際に専攻科に進んだクラスメイトは、スーパーゼネコンに入社した者が2人いました。業界最大手に就職できるため、十分有利と言えます。

このように、専攻科生は大学生と比較しても就職で有利です。

環境の安定性

安定

専攻科なら慣れ親しんだ場所で学生生活を送れます。

大学生活では学校は当然、進学先によっては住環境まで変わります。家から通えるところにある大学、となると選択肢は限られますからね。

また、高専生活で打ち解けたクラスメイトや教授がいる中で勉強を続けられます。わからないとこを気軽に質問できるのも利点ですね。

学習環境の安定は、専攻科への進学でしか得られないメリットですね。

優

環境の変化が大きなストレスなら専攻科だね!

専攻科進学のデメリット

デメリット

専攻科には多くのメリットがある一方、デメリットもあります。特に研究の質は、学びを深めたい学生にとっては痛手ですね。

専攻科進学のデメリット
  • 研究環境の質
  • 環境が変わらないデメリット

これらのデメリットについて詳しく説明します。

研究環境の質

研究

実験設備や環境などにおいて、専攻科は大学より劣ります。

専攻科の研究は基本的に高専本科と同じ設備・環境で行うため、高専レベルです。取り組む課題のレベルは高くても、環境では劣るでしょう。

私の研究室では実験設備を更新しました。その時教授は「これでようやく大学レベルの研究ができるようになる」と述べていました。

優

なら今までの設備だと大学より劣っているのかな

また、高専教授の中にも「最後は大学で研究したい」と言う教授もいました。やはり、教授クラスになるとより良い研究環境が欲しいのでしょう。

学問や研究にこだわるなら専攻科では満足できないでしょう。

環境が変わらないデメリット

変化なし

環境が変わらないことはデメリットにもなります。

5年間通った高専本科と、同じ建物・教員・クラスメイトと過ごすため新鮮さはゼロです。新しい出会いもなく、人脈も広がりません。

優

合計で7年間同じ学校に通うことになる、小学校より長いよ。

刺激がなくマンネリ化するため、モチベーションを失うかもしれません。

専攻科と大学編入を比較!

選択

ここでは、高専専攻科と大学編入について比較します。

項目専攻科大学
学費
大学院進学
就職
研究・学問
【比較表】専攻科・大学

学費なら専攻科、研究であれば大学が圧倒的です。それぞれ詳しく解説します。

学費なら専攻科が圧倒的!

お金

学費は専攻科の方が圧倒的に安いです。

学費項目専攻科(国立高専)国立大学私立大学
入学金84,600 円282,000 円959,205円
授業料(年間)234,600 円535,800 円240,806円
合計319,200 円817,800 円 1,200,011円
出典国立高等専門学校機構文部科学省令第16号文部科学省の調査
専攻科と大学の学費比較表

国立でも50万円/年、私立なら90万円/年も異なります。2年間で100~200万円も変わりますね。学費で決めるなら、専攻科一択でしょう。

さらに進学!大学院も見据えるなら?

進む

大学院進学に関しても、専攻科に軍配が上がります。

専攻科からの大学院は「九州・東北・筑波」と難関大学が上位を占めます。平均的な大学生より大学院進学では有利ですね。

また、高専からの大学編入は技科大が大多数。大学から進学する際は、同大学院への進学が多いため、必然的に大学院も同じになります。

高専・専攻科の進学先
出典::独立行政法人 国立高等専門学校機構 概要(2023年度)

このことから、大学院を見据えると専攻科の方が進学に有利です。

就職に強いのは?

就職は専攻科と大学で大きな差はありません。

専攻科生は企業から高評価です。一方、専攻科生を大学生より低待遇で採用している企業もあります。内定獲得で有利でも、その後を考えると優劣はつけがたいですね。

優

大学のレベルにもよるからね

就職に関しては引き分けです。

学びや研究なら大学!

研究環境は大学の方が優れています。

大学は設備も整っており、専攻科より高いレベルで研究できます。また、学生の数も多いため一緒に研究する仲間もいます。

優

教授の人数も違うからいろんな意見が聞けるかもね

また、大学では専門分野以外の講義も受けられます。専攻科だとそうはいきませんからね。

このように、研究環境を追い求めるなら大学編入をオススメします。

専攻科に向いている人

学位

専攻科は「とりあえず大卒相当」になりたい人にオススメです。

専攻科はコスパ良く大卒相当になれ、しかも就職に強いです。また、進学先で研究に熱が入れば大学院へ進学もできます。

優

大学の学費は国立でも160万/2年。「とりあえず」で払うには高いよね

実際、私の同級生には「親が大卒程度にはなっとけ」と言うから進学した、という学生も複数いました。とりあえず専攻科生ですね。

高専卒で就職するのは不安だな、大卒程度にはなりたいな、考えているなら専攻科へ進学しましょう。

【体験談】専攻科卒業生を2人紹介!

紹介

ここでは、専攻科へ進学した同級生を2人紹介します!

  1. スパーゼネコンへ就職した専攻科生
  2. 大手のグループ会社へ就職した専攻科生

どちらも羨ましいぐらいの社会人生活を送っています。

スーパーゼネコンに行った専攻科生A君

現場監督

ここでは、専攻科へ進学しスーパーゼネコンに入社したA君を紹介します。

A君は親から「大学生活ほど自由なものはない、学費は払うから行け」と言われて、専攻科へ進学しました。

専攻科では、研究室の教授が転職などもありましたが、楽しく過ごせたみたいです。自由な時間で株の勉強をして、お小遣いを稼いでいましたね。

今は業界最大手の建設会社に入社し、一流の現場監督として働いています。建設業界誌に掲載される現場にいますからね。

優

ちなみにスーパーゼネコンに入社した元同級の専攻科生はもう一人いる

両親を思い大手グループの地元職へ就職した専攻科生B君

両親

B君大卒の資格ぐらいとっておこう、と考えて専攻科へ進学しました。

専攻科ではコンクリートの研究をしながら、少人数のクラスメイトと仲良く学んでいましたね。

B君は責任感が強く「一人っ子だから親の面倒は自分がみる」という思いから、地元に支店がある大手グループ会社へ就職しました。

今は一時的に東京勤務をしています。上司からの評価も高く、ボーナスも普通より多いらしいです。

まとめ

今回は専攻科のメリット・デメリットを解説し、大学編入と比較しました。

専攻科進学のメリット
  • 学費が安い
  • 難関大学院へ進学しやすい
  • 就職に強い
  • 環境を変えずに進学できる(変わらないことがデメリットにもなるから注意!)

専攻科は研究環境で大学に劣りますが、圧倒的な学費の安さがあります。就職や学歴のためであれば専攻科オススメします

優

研究に目覚めたら大学院への進学も目指せる、迷っている人にもオススメかな。

以上、専攻科進学して大卒とっておけば転職の道が広がったのに…と後悔している優でした。

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